(2019年12月)


なぜ食べ物の好き嫌いがあるのか



 「これ、食べられない」「残してもいい?」
このような給食中のやりとりをよく見かけます。
どうしたら嫌がらずに食べられるようになるのかな?
と職員間で話し合うことも少なくありません。

そもそもなぜ好き嫌いが起こるのか
人体の性質から調べてみたので保護者の皆さんも考えてみてください。
舌には味蕾という味覚のセンサーがあります。
ここで味を感じ取っています。

この味蕾の特徴として、乳幼児期がこの味蕾の数が一番多く、
年齢とともにその数は徐々に減っていきます。
ということは、子どもの好き嫌いの正体は、
味蕾の数が多いことにより味に敏感であるからと言えます。

特に酢の物、ピーマンなどの「酸味や苦味」が好ましくないと思う子が多くいます。



理由は以下の表にまとめました。

味の種類 味蕾センサーの役割 好き嫌いの理由
甘味 エネルギー源の味 身体に必要な成分であり、
本能的に欲するため
生まれつき好きな味、おいしい味
塩味 生命活動に必要なミネラルの味
うま味 アミノ酸の味
酸味 体に有益な酸や食べ物の腐敗した味 有害な物を食べないように警告・判断するため
本能的に避けたくなる味、まずい味
苦味 有害な物質や毒物の味






好き嫌いを減らすには

~味蕾を育てる~



子どもは、味に敏感であることや臭い、
見た目を含めた食経験が未熟であるために
偏食が目立つのかもしれません。

ですから、乳幼児期に、おいしいと感じられる食べものばかりを与えると
当然それが好物になってしまいます。

苦手なものを少なくするためには、
離乳期から薄味でバランスよくはじめていくことです。

今から苦手なものを克服していくには、
いろいろな食べ物の味・変化を経験して味蕾を育てていくことです。

すぐには解決できません。
中学生(成長期)になるころには、食事量も増え
苦手だった食材が5つあったものが2つに減っていることと思います。

保護者の皆さんも
大人になって癖のある食材が
美味しいと思うこともありますよね。

ですから、焦らず長~い目で見ていくことが
子育てには必要です。







子どもの冷え性



 冷え性というと女性に多いイメージがありますが、
最近では、幼児にも増えてきているようです。

冷え性は、温かい部屋にいても寒がっていることや
手足などのからだの末端が冷たくなります。
特に寝ているのに足が冷たいのはよくありません。

原因は、血行不良です。
血行が悪いと手足が冷えるだけでなく
便通の乱れや寝つきが悪い、風邪をひきやすい、
成長ホルモンがきちんと分泌されないなど
の様々な不調が現れるので改善する必要があります。

根本的に体の芯から温めることが必要です。

子どもらしく戸外で体を適度に動かすことや冬の根菜など
「体を温める」食べ物を美味しく食べることによって
血行が良くなり体温調節を自然と行えるようになります。

その結果、冷え性などの症状が出にくくなります。